Special Issues - Interview
ギフトできるお金でより良い未来を
フェアトレードマルシェ株式会社
皆さん、フェアトレードコインという電子マネーを知っていますか?
どんな仕組みなのか、どんな想いで作られたのか、フェアトレードコインを展開するフェアトレードマルシェ株式会社にお話しを伺いました。
─ どのようにフェアトレードに取り組まれていらっしゃいますか?
フェアトレードマルシェ株式会社:フェアトレードに関心の高いファンの方と、フェアトレードに取り組むお店やメーカーなどの事業者の方とを繋げるフェアトレードコインという電子マネー事業を展開しています。また、フェアトレードショップmeetsの運営も行い、フェアトレード商品を個人や企業に広げていくアンテナショップとして運営しています。
2021年4月10日、JICA中部 なごや地球ひろば1階にオープンしたフェアトレードショップmeets
(呼称:ミーツ)
(呼称:ミーツ)
─ なぜフェアトレードコインというサービスを始められたのでしょうか。込めた想いを教えてください。
フェアトレードマルシェ株式会社:フェアトレードに関わる商品を取り扱う方々は、その代金を可能な限り生産地の支援に回していきたいという想いがあります。しかしながら、自由経済における競争においてはなかなかビジネスとして持続させていくことが難しいのも現状です。そこで、フェアトレードの市場を可視化し、もっとファンがアクセスしやすく、応援できるきっかけをつくっていきたいと考えました。フェアトレードを推進する志の高いお店に出会い、お店の方と話をして、もっと応援したくなるようなきっかけのさきに、チップやメッセージという想いが詰まっていく仕組みができれば、そんな世界に共感をしてくれる人がもっと増えると考えています。フェアトレードはもっともっと広がる可能性をもっています。
─ フェアトレードコイン事業を推進してきた中で、どのようなご苦労や障壁があるでしょうか。またそれらにどのように対応していますか?
フェアトレードマルシェ株式会社:一般的な電子マネーは、「いかに得するか、便利か」という自分に有利であることが基準で、電子マネーの種類を選んで使う傾向にあります。しかしフェアトレードコインはその逆で、期限付きのお金を、フェアトレードのお店だけで循環させていこうという考えをもち、そのうえチップやメッセージなどでギフトしていくという「応援の仕組み」であることが特徴です。すでに電子マネーが普及していることもあり、なかなかこの価値観が伝わらないので、毎日が挑戦です。
─ フェアトレードコインを進めることで、街やコミュニティにはどのような変化が生まれてきたでしょうか。やりがいに思うことや効果について教えてください。
フェアトレードマルシェ株式会社:これまでの社会が、「早い、安い、便利」を選んできた結果、SDGsという世界的な社会課題として取り組まなければならなくなっているというのが現状です。その中でも、経済合理性や利潤追求が優先される現代への疑問をもち、それを変えていきたいという想いからフェアトレードを推進されているお店や事業者さんが、少しづつこのフェアトレードコインに参加し、お互いに繫がり協働が始まっているということがとても嬉しいです。また、フェアトレードについての意識があまりなかった事業者さんが、フェアトレードに関心をもってくださって、フェアトレードコインをきっかけに事業をはじめられる方もいるのはとても嬉しいです。
フェアトレードコイン加盟店の「ヘルシングあい(愛知県名古屋市)」にて、愛知商業高校ユネスコクラブのみなさんが、フェアトレードコインを使ってお買い物体験
─ 貴社が考えられるフェアトレードの魅力とはなんでしょうか。
フェアトレードマルシェ株式会社:サスティナブルやエシカルといった言葉は概念の色が強いですが、フェアトレードは具体的な貿易であり市場であるという点から、一般の人がアクションしやすいという点で素晴らしいと思います。
─ 今回のミリオンアクションキャンペーンについてご意見やコメントがあれば教えてください。
フェアトレードマルシェ株式会社:参加しやすさという意味ではとても素晴らしいと思います。あとは、リアルタイムに数字が変わっていくとか、応援しあえるとか、一体感が出るといいかなと思いました。また、フェアトレードのことを知らない方が多い中で、伝え方がもっとカジュアルにポップでクールになるといいなと感じました。たとえば、アートやライブなどと一緒に伝えるというのも面白いんじゃないかと思います。
─ 今後の展望について教えてください
フェアトレードマルシェ株式会社:フェアトレードコインの広がりによって、フェアトレードの市場の可視化されることで、一般の個人や企業の方々の参加が促されるようにと思っています。フェアトレードコインのような電子マネーという軽やかなツールで、フェアトレードを選ぶことのほうがよりシンプルでスマートであるというようなイメージに貢献できたらと思っています。コロナが落ち着いたら、ぜひ世界に向けて展開をしていきたいと思っています。