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フェアトレードコットンで世界を変える

株式会社フェアトレードコットンイニシアティブ

日本で初めてとなるオーガニックテキスタイル世界基準(GOTS)認証と国際フェアトレード認証の「ダブル認証」の商品を展開してきた株式会社フェアトレードコットンイニシアティブ。日本でのフェアトレード認証コットン普及の立役者である同社代表取締役の入江英明さんに、取り組みについてお話を伺いました。

─  まずはフェアトレードについて、貴社の取り組みをお聞かせください。
入江さん  みなさんは「フェアトレードコットン」という言葉を聞かれたことがありますか?実は「フェアトレードコットン」と検索していただくと、当社の名前がトップに表示されます。私自身、当時日本初となるフェアトレード認証コットンのトートバッグの展開を始めて、今年で10年になります。私は当社を設立するまではファッション業界にいましたので、繊維産業におけるサプライチェーンの問題を目の当たりにしてきました。当社は社名の通り、フェアトレードコットンを広めることで公正で公平な社会に貢献したい、という想いから設立しました。フェアトレード認証製品だけに特化したソーシャルビジネスを行っている、とても珍しい会社かと思います。つまりフェアトレードではないものは取り扱いをしていないのです。商品アイテムは百貨店向けの洋服から、雑貨、今治タオルなどのアイテムまで、幅広く製造しています。ただ、お客様のブランド名や企業名で製造していますので、当社のことはご存じではない方が多いと思います。
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支援しているインドの学校にて
─  社会が大きく変化してきている中、SDGsの認知拡大もあり、ますますサステナビリティに対する動きが大きくなっています。フェアトレードへの反応にはどのような変化を感じていらっしゃいますか?
入江さん  当社は商品を販売するということよりも「フェアトレード」そのものの普及を目指しています。そのため、特にその背景にあるストーリーを伝えることに重点を置いています。例えば、フェアトレード認証コットン農園や認証工場、フェアトレードプレミアムで建造された学校への訪問等のいわゆるスタディツアーを実施してきました。現地(主にインド)へは年に何回も渡航し、撮影した動画や写真を紹介するために、大学や新聞社での講演等の普及活動に取り組んでいます。更にはフェアトレード大学、フェアトレードタウンとも連携しながら一般消費者への啓発活動も行っています。こうした活動ができることに当社の存在意義があると考えているからです。つまり一般的には儲かることは大企業が参入し、それ以外はNPOが取り組む場合が多いですが、活動原資を寄付に頼ることも多く、予算が限られているのが現実です。当社ではビジネスを通じて資金を調達し、あらゆる普及活動費に充てています。こうしたことから、フェアトレードにコミットしていただいているお客様に支えられているところが当社の特徴です。今月には約2年半ぶりに現地を訪問し、情報収集を再開する予定です。
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フェアトレードプレミアムで建てられた学校で学ぶ笑顔の子どもたち
─  フェアトレードのお取組みで、特に力を入れていることや工夫されていることなどをお聞かせください。
入江さん  当社はIT大手のNTTデータさんの「フェアトレードエコバッグ」の制作の担当をさせていただき事業を開始しました。日本初となる「オーガニックテキスタイル世界基準(GOTS認証)」及び国際フェアトレード認証の「ダブル認証」を取得し、人にも地球にもやさしいものづくりを行っています。例えば、5年前から全国のロフトさんのノベルティグッズは当社が企画製造を担当させていただいています。2016年からはフェアトレードグッズ制作ECサイト「SCOO(スクー)」、そして今治のタオルメーカーと協業した「Organi&Co.(オルガニコ)」ブランドのタオル開発、更には障がい者によるアートを使用したグッズ制作「Handicap Art(ハンディキャップアート)」も始めました。
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全国のロフトで採用されているフェアトレード&オーガニックのダブル認証「ロフト オリジナル2WAYバッグ」
(画像:株式会社ロフト プレスリリースより)
─  今回のミリオンアクションキャンペーンについて、ぜひご意見やコメントをお願いします。
入江さん  今では大企業も含む30もの企業・団体がフェアトレードコットン(繊維)に参加し、「フェアトレードコットン」が1つのジャンルとして認知されつつあります。2020年には新規にフェアトレード認証された製品の約半数がコットン製品となりました。今回のキャンペーンをきっかけに、ぜひ多くの製品に触れていただければと思います。
─  今後の展望についてお聞かせください。
入江さん  フェアトレードを通じて、途上国の生産者や労働者、そして障がいのある方など、社会的に立場が弱い人々に寄り添えるような事業をこれからも展開していきます。
─  日頃フェアトレードの推進に取り組んでいらっしゃる入江さんから、今年のキャンペーンテーマ「サステナブルな未来のためにできること」に寄せて、ぜひメッセージをお願いします。
入江さん  フェアトレードコットンのパイオニアとして、多くの企業や消費者に参加していただけるよう、これからも普及活動に努めてまいります。
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Interview
株式会社フェアトレードコットンイニシアティブ
代表取締役 社長 入江 英明さん

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